Q:珈琲と水の関係について教えてください。


A:ご質問の「水」については91年6月(調査が少し古く申し訳ありません)に当店で調べた結果がありますので、私の意見としてご覧ください。

当時ペットボトルの水や業務用、家庭用の浄水器が次々に発売された時期でもあり、専門書から抜粋しても面白くありませんので、出来る範囲内で調べて みました。

実験の内容は以下の通り。
  • 水道水
  • 市販の「ナチュラル・ミネラルウォーター」2種類
  • アルカリイオン水(pHで3種類、水道水を高性能特殊浄水カセットに通した後、電極を通じると出来る水。 普通の水と比べてミネラル分が多く含まれているらしい。)
  • 再蒸留水(水道水をイオン交換樹脂に通し 水に含まれているミネラル等を除去し、熱を加えて蒸留する。 更に蒸留すると再蒸留水が出来る。不純物が含まれていないので無味無臭。)

[使用した水の主な成分表(mg/l)]
水の種類 カルシウム マグネシウム ナトリウム カリウム pH 値
水道水 10.0 2.4 12.0 2.0 8.42
ナチュラル・ミネラルウォーター A 24.0 5.7 18.0 0.3 7.7
ナチュラル・ミネラルウォーター B 32.0 5.1 11.0 1.5 7.5
アルカリイオン水 a  8.12
アルカリイオン水 b 9.55
アルカリイオン水 c 10.17
アルカリイオン水(浄水器カタログデータ) 33.8 5.5 13.9 5.0 11.0
再蒸留水 7.28
−:データなし
(水道水は91年6月10日現在のデータ 新潟市青山浄水場提供)

それぞれの水の味覚テスト(水温13℃:最もおいしく感じる水温)では、生の水の味がストレートに珈琲の味に反映するとは限らないようです。水には各種のミネラル、気体など 色々な物質が含まれています。もちろん水によってpHも違います。水の味というのは、含まれている物質の種類、量、pHなどによって決まるようです。

具体的に味を決める要因としては、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、二酸化炭素などがあります。これらの物質を幾分含んでいる水のほうが おいしいようです。

したがって、ミネラル分を全く含んでいない再蒸留水は問題外です。
それとは逆に、ミネラル分は過剰に含まれてもいけません。ヨーロッパの水はカルシウムやマグネシウムなどが多量に含まれていて、硬水と呼ばれ 飲料には適しません。

日本の水はヨーロッパと比べると硬度が低く、軟水と呼ばれます。確かに地域差はあるものの普通に飲めます。

それでは珈琲にとって相性の良い水とは、私はマンションなどを除けば水道水で充分だと思います。 (交響楽は水道水です。浄水器も使っていません。)沸騰して数分も経てばカルキ臭も抜け、問題無いはずです。
確かに皆さんが飲んでいる珈琲の99%は水ですが、珈琲は水に負けませんし、水が味を創造することは出来ないのです。一番大事な事は優れた 豆をお使いになる事です。
戻る


© 2005 Kokyogaku